
AMAMI / YOROJIMA
島に暮らしがある限り、
島の未来はつくれる。
奄美大島の最南端に、与路島という有人離島があります。鹿児島県大島郡瀬戸内町に属する面積9.35平方キロメートルの島で、古仁屋港から直行の船で50分、フェリーでは1時間40分。欠航も少なくありません。私たちはこの島を拠点に、宿泊・観光、地域づくりと自然学習、農業生産の三つの事業に取り組んでいます。
与路島という島

与路島は奄美大島の最南端に位置する有人離島です。面積は9.35平方キロメートル、海岸線の長さは25キロメートル、最高標高は297メートル。奄美群島国立公園に含まれ、集落には珊瑚の石垣が連なり、亜熱帯の原生的な自然が残っています。
島への交通手段は船に限られます。定期船「せとなみ」、海上タクシー、自船・他船のいずれかで、瀬戸内町役場のある古仁屋港から直行50分、フェリーでは1時間40分。欠航も多く発生し、簡単に来島できない島として奄美大島でも知られています。
島に暮らすのは40人、29世帯。医師が常駐しない無医村島でもあります。この規模の島で、人が住み続けられる条件をどう保つか。それが私たちの取り組みの前提にあります。
- 所在地
- 鹿児島県大島郡瀬戸内町
- 人口
- 40人・29世帯
- 面積
- 9.35 km²
- 海岸線長
- 25 km
- 最高標高
- 297 m
- 交通
- 古仁屋港から直行50分、フェリーで1時間40分
人口・世帯数は瀬戸内町「人口・世帯別集計」令和8年7月末現在。
なぜ与路島なのか
奄美大島の観光は、これまで空港に近い北部に集中してきました。訪れる方がリピーターになるにつれて足は南へ延び、最南端の瀬戸内町の有人島や無人島を巡るツアーに関心が向かう。私たちはそう見立てています。
奄美大島の一番奥にある与路島に人を迎え、奄美の古来の生活や文化、自然の魅力を伝えること。それによって与路島の無人島化を防ぎ、与路島だけでなく奄美大島全体の観光活性化につなげること。これが取り組みの基本的な考え方です。
来島の困難さが秘境感を生み、古来よりノロ神信仰が盛んで神秘的な伝説も多い島。
開発が進んだ沖縄、世界自然遺産に登録され少しずつ開発の音が聞こえ始めた奄美大島。そのなかで与路島の人々は、時に激しい自然と向き合い、協力し合って離島のハンディキャップを乗り越えて暮らしています。
三つの事業
いずれも「島に人が住み続けられること」を目的に組み立てられており、単独では成り立ちません。
訪れた人が島で過ごす時間をつくる
与路島・請島・瀬戸内町において、宿泊施設とビジターセンターを運営しています。与路島には一軒宿「CJ CASA aoao」、古民家宿「ナショナルパークスタイル古民家」、そして2025年7月に開業した「ビジターセンター&Café&Stay Ole Ole」。請島には「National Park Style Cottage」があります。
大きな宿を一棟建てるのではなく、集落のなかに性格の異なる小さな施設を分けて置く。島全体をひとつの宿に見立てる考え方です。
暮らしの基盤と、島に伝わるものを守る
与路島観光商工協会をはじめとする地域団体と連携し、交通と物流の課題、史跡の保全、子どもたちへの自然学習に取り組んでいます。
2021年には海上ライドシェア、小型ドローンによる物資輸送、陸上ライドシェアの実証実験を続けて実施しました。定期船の便数が限られる離島では、人と物の移動をどう確保するかが定住の可否に直結します。2025年6月には、神山(アブリヤ)の史跡「大アムシャレの碑」の追碑式を執り行いました。
使われなくなった農地を、生産の場に戻す
2026年8月、地域の農家の皆さまとともに農業生産法人を設立しました。ポンガミヤ(和名クロヨナ)の栽培を通じ、耕作放棄地の活用と新たな農業収入源の創出を目指します。
ポンガミヤの種子から採れる油は、国産SAF(持続可能な航空燃料)の原料として注目されています。

これまでの歩み
取り組みの契機は2017年11月、「与路島 珊瑚石壁およびサガリバナ小径とハンミャ島」がクールジャパンアワード2017を受賞したことでした。以降、農林水産省、観光庁、経済産業省、環境省の各制度に採択いただきながら、実証と実装を重ねてきました。
宿をつくり、交通と物流の課題に挑み、史跡と文化を次の世代へ渡す。そして2026年、取り組みは農業生産の分野へと広がっています。