
HISTORY / 2017-2026
これまでの歩み
2017年、与路島の珊瑚石壁とサガリバナの小径、そして沖に浮かぶ島がクールジャパンアワードを受賞しました。そこから今日まで、宿をつくり、交通と物流の課題に挑み、島の歴史と自然を次の世代へ渡すための仕事を、島の皆さまとともに重ねてきました。
受賞から、受け入れる器づくりへ
与路島は奄美大島最南端の有人離島です。定期船や海上タクシーなど船でしか渡ることができず、欠航も多く、簡単には来島できない島として奄美大島でも知られてきました。その来島の困難さが秘境感を生み、古来よりノロ神信仰が盛んで神秘的な伝説も多く残る島でもあります。
2017年11月、その与路島が「与路島 珊瑚石壁およびサガリバナ小径とハンミャ島」でクールジャパンアワード2017を受賞しました。島の価値が外から評価されたことが、取り組みの契機となりました。
まず着手したのは「泊まれる場所」です。一軒宿「CJ CASA aoao」を整え、2020年12月には古民家宿ナショナルパークスタイル古民家(National Park Style Cominca)が営業許可を取得。2025年7月には、日本一小さなビジターセンターを掲げる「ビジターセンター&Café&Stay Ole Ole」が開業し、島で初めてのカフェが生まれました。
同時に進めたのが、暮らしの基盤に関わる仕事です。2018年11月に瀬戸内町と地域活性化包括連携協定を締結し、2020年4月にはコワーキングスペース「瀬戸内IT BASE」が開業。2021年1月から3月にかけては、海上ライドシェア、小型ドローンによる物資輸送、陸上ライドシェアの実証実験を続けて実施しています。定期船の便数が限られる離島では、人と物の移動をどう確保するかが定住の可否に直結するためです。
これらの多くは、単独で行ったものではありません。国の各制度に採択いただき、瀬戸内町農泊推進協議会や地域の団体と連携しながら、実証と実装を繰り返してきました。
年表
与路島・請島および瀬戸内町での取り組みを年月順に並べています。
| 2017年4月〜7月 | JCF学生映画祭のスカラシップにより、アマミノクロウサギの保護啓発映像を制作。「Save The RED LIST Project」として保護活動を展開 |
|---|---|
| 2017年11月 | クールジャパンアワード2017を受賞(「与路島 珊瑚石壁およびサガリバナ小径とハンミャ島」) |
| 2018年11月 | 瀬戸内町と地域活性化包括連携協定を締結 |
| 2018年11月 | 中核法人を務める瀬戸内町農泊推進協議会が、農林水産省・農泊推進事業に採択 |
| 2019年6月 | 同協議会が、全国13か所が採択された農林水産省・スマート定住強化型モデル事業に採択 |
| 2019年7月 | 観光庁「平成31年度 最先端観光コンテンツ インキュベーター事業」のモデル事業に採択。ハンミャ島の完全許可制による無人島グランピングのアクティビティを開発 |
| 2019年7月 | 一般社団法人ナショナルパークスジャパンが、環境省と国立公園オフィシャルパートナーシップ協定を締結 |
| 2020年4月 | コワーキングスペース「瀬戸内IT BASE」開業 |
| 2020年6月 | コロナ禍において、無医村島である与路島への適正な来島を呼びかけるため、与路島観光商工協会を設立(6月30日) |
| 2020年7月 | 経済産業省「コンテンツグローバル需要創出促進・基盤整備事業」に採択され、請島のブランディング映像を制作 |
| 2020年7月 | 瀬戸内町より依頼を受けて、請島あかひげ(National Park Style Cottage)の運営権を取得 |
| 2020年8月 | 不動産関連の株式会社ナショナルパークスタイルリアルテイ(現・ココカラNPR不動産)を設立 |
| 2020年10月 | 請島 National Park Style Cottage(旧名称アカヒゲ)が営業許可を取得 |
| 2020年10月 | 旅行会社ナショナルパークツーリズム奄美(TARGET JAMM)を設立 |
| 2020年12月 | 与路島の古民家宿 National Park Style Cominca が営業許可を取得 |
| 2021年1月 | 瀬戸内町農泊推進協議会との連携で、海上ライドシェアの実証実験を実施 |
| 2021年2月 | 小型ドローンによる物資輸送の実証実験を実施 |
| 2021年3月 | 陸上ライドシェアの実証実験を実施 |
| 2021年3月 | 鹿児島県のコロナ対策補助金を活用し、請島 NP Style Cottage および与路島 National Park Style Cominca を改修 |
| 2021年7月 | 与路島観光商工協会を発展させ、与路島請島シマづくり協会を設立 |
| 2021年7月 | せとうちコンシェルジュデスクを開設(7月26日/瀬戸内町大字古仁屋字大湊26番地14号) |
| 2021年10月 | 環境省「国立公園・温泉地等での滞在型ツアー・ワーケーション推進事業」に採択。奄美群島国立公園のサステイナブル・ツーリズムの開発・発信を推進 |
| 2022年1月〜2月 | アクティビティ検証のファムトリップを経て、奄美市から与路島に至るルートで「奄美群島国立公園サステイナブル・ツーリズム体験イベント」を開催 |
| 2024年3月 | 第17回JCF学生映画祭を開催。初の奄美・与路島開催 |
| 2025年 | 与路島への玄関口となる瀬戸内町嘉鉄に、来島前後や船の欠航時に滞在できる宿泊施設の用地を取得 |
| 2025年6月 | 神山(アブリヤ)の史跡を整備し、大アムシャレの碑の追碑式を実施(6月14日) |
| 2025年7月 | ビジターセンター&Café&Stay「Ole Ole」開業(古民家 旧信川邸を改装) |
| 2026年1月 | 環境省との国立公園オフィシャルパートナーシップ協定を更新 |
| 2026年3月 | 一般社団法人ナショナルパークスジャパンが本店を与路島へ移転 |
| 2026年5月 | 離島の御朱印帳事業「島印帖(Japan Island Pass)」の立ち上げ構想書を取りまとめ |
| 2026年8月 | 地域の農家の皆さまとともに、農業生産法人NEXIAファーム株式会社を設立(8月8日) |

採択された国の事業
与路島・請島での実証や施設整備の多くは、国の各制度に採択いただくことで前に進めることができました。
農林水産省
農泊推進事業(2018年)/農山漁村交付金 スマート定住強化型モデル事業(2019年・全国13か所)
観光庁
平成31年度 最先端観光コンテンツ インキュベーター事業 モデル事業(2019年)
経済産業省
コンテンツグローバル需要創出促進・基盤整備事業(2020年)
環境省
国立公園オフィシャルパートナーシップ協定(2019年締結・2026年1月更新)/国立公園・温泉地等での滞在型ツアー・ワーケーション推進事業(2021年)
鹿児島県
コロナ対策補助金を活用し、請島・与路島の宿泊施設を改修(2021年3月)
そしていま
宿と受け入れ体制を整えた次に取り組んだのが、島に伝わるものを残す仕事でした。2024年3月には第17回JCF学生映画祭を初めて奄美・与路島で開催し、2025年6月には神山(アブリヤ)の史跡を整備して大アムシャレの碑の追碑式を執り行いました。琉球王国統治時代のノロ神と大アムシャレの伝説を後世へ伝えるための追碑です。
2026年に入り、取り組みは新しい段階に移りました。5月には離島を巡り集める「島印帖(Japan Island Pass)」の立ち上げ構想を取りまとめ、8月には地域の農家の皆さまとともに農業生産法人を設立。宿泊・観光と地域づくりに加え、農業生産の分野へと広がっています。
この10年、一貫して目指してきたのは、与路島の無人島化を防ぎ、島に人が住み続けられる条件をつくることです。年表に並ぶ一つひとつは、その条件を少しずつ積み上げるための仕事でした。